88歳で博士号!尾関清子さんと縄文布ってなあに?

ある日の早朝になんとなく布団の中でテレビをつけたら

目が醒めるようなニュースが飛び込んできました。

縄文布の研究で博士号をとったという縄文と布という

キーワードです。

しかも博士号を取得した方が88歳の方だというでは

ありませんか!

今回は博士号を授与された尾関清子さんとはどういう方なのか?

縄文布とはどういうものなのかについて紹介いたします。

縄文布に情熱を注いだ30年

2018年3月24日に立命館大学から博士号を授与された方が

尾関清子さんです。

尾関清子さんは愛知県出身で、女学校を卒業し、離婚を経験

したのちの30歳の頃、生計を立てるために人形作りを始めます。

名古屋の東海学院女子短期大学関係者の目に留まり1964年から

手芸の講師として採用されます。

尾関清子さんはシンポジウムや教室で講師として活躍しました。

そして助教授として1995年まで務めます。

2015年から立命館大学環太平洋文明研究センターで客員協力

研究員を務め現在にいたります。

尾関清子さんは講師時代に素朴で単純だと思っていた縄文時代

の布を見て、さまざまな方法で編まれていることに気がつきます。

縄文布に魅了されて30年以上も編布(あんぎん)の研究を

続けました。

50代後半から80代までの間、尾関清子さんは北海道から九州

まで22道県の遺跡165ヶ所から出土された縄文土器などの網目

模様を分析します。

網目模様から糸のよりかたを調べ、判らなければ自分で編んで

みるなど徹底的に検証したそうです。

尾関清子さんは縄文時代の布文化について掘り下げ、著書も

出版しています。

2017年9月には「縄文の布ー日本列島布文化の起源と特質」の

博士論文を提出して評価を受けました。

修士や学位を持たず、また縄文布についての博士号の授与は

国内では初めてだそうです。

また88歳での博士号取得も国内で最高齢です。

長い間の研究の成果がようやく認められました。

縄文布については研究者が少ないことから、資料も少なく

前例もないため解明できるまでの苦労がうかがえますね。

縄文時代の布について

縄文時代の織り方とは?

縄文時代の布は編布(あんぎん)という技法により作られ

ています。

あんぎん織りの技術は衣服のほか米などを入れる俵やゴザ

など現在でも引き継がれています。

先日、アイヌ民族博物館で見学してきたゴザの編み台と

あんぎん織りの台の構造が似ていました。

「編布」と書いてはいますが、あんぎん織りは経(たて)糸

と緯(よこ)糸を組み合わせているため構造上は織物に

見えます。

しかし、あんぎん織りは経糸1本を緯糸2本に絡ませているので

一般の織り機ではできない技法を縄文時代に編み出している

ことが驚きです。

経糸が縄のように見えるのがあんぎん編みの特徴で縄文時代

オリジナルの編み方らしいです。

画像はアイヌ民族博物館でゴザを編んでいる様子ですが台の

構造が似ていると思います

ちなみに現代でも使われている織り機のような技法は縄文

時代の後半から登場しています。

縄文時代はどんな繊維を布にするの?

画像はアイヌ民族博物館でゴザづくりに使われているイラクサ

の繊維にヨリをかけて糸にしたものです。

縄文時代の衣服を作るための布はカラムシ・アカソ・大麻など

の植物の繊維を素材としていました。

カラムシは苧麻(ちょま)と呼ばれているイラクサ科の多年草

で成長すると150cmまで伸びる植物です。

アカソは赤麻と書きますが、イラクサ科のカラムシ属です。

大麻は日本の数カ所で免許制で栽培されている植物であり

アトリエNAOの記事を読んでいる方はご存知かもしれません。

麻は繊維材料を採取できる植物の総称としてアサ科でなくても

一般的に使われています。

アマ科アマ属の亜麻やジュートと呼ばれているシナノキ科の黄麻

などがそうです。

ちなみに山菜でも有名な食用のイラクサはミヤマイラクサと

いわれるものであり、カラムシ属の縄文布用のイラクサは食用

ではない別物として扱われています。

簡単に糸を作って編むと言ってはいますが、植物を採取して繊維

のみを取る工程も時間と手間がかかります。

さらに繊維から糸にして編む段階に進むまでさらに長い道のり

があるのです。

繊維から糸にする工程は実際に管理人の私が普段作業して

いますので、こちらをご覧下さい

ちなみに私も縄文時代の紐の編み方を再現してみました。

麻糸を5本使用して交互に組み合わせながら編んでいく技法です。

シンプルながらもしっかりと編み上がり、安定感があります。

まとめ 前代未聞の自分流はかっこいいんじゃないか!

過去の記事でターシャ・テューダーさん篠田桃紅さんを取り

上げました。

お二人とも独自のライフスタイルを持ち、誰にも真似できない

オリジナルを作った人です。

私はそういう女性が大好きです。

今回の尾関清子さんの研究心は年齢が感じられないのが素晴ら

しいと思います。

初めは人形作りや編み物の講師から始まりましたが、誰も踏み

入れていない縄文布への興味は尾関清子さんに与えられた使命

だったのかもしれません。

近年は縄文ブームともいわれていますが近代化でなく原始的な

生き方が人間の本質として見直されています。

近年は情報の発達とIT化が進み、数年前に新しいといわれていた

ものが早いペースで廃れていき、人間の能力では追いつかない

ような発達が見られます。

どうやったって一般庶民の私たちには追いつかないでしょう。

そこにしがみついて生きるよりも私は自分のスタイルとペースで

生きていくほうが自分らしい生き方につながるのではないかと

思います。

そうすることで誰も踏み入れないような発見があったり、過去に

多くの人が見落としていたことに気づけるのかもしれないですね♪

尾関清子さんの書籍は高価であり希少なため機会があれば

読んでみたいです。

 

 

 


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