
今回はエンペラーこと太陽の父と言われている
皇帝を紹介します。
皇帝は火の国に所属しています。
前回紹介したイシスの探索・自由・女帝と同じ
国です。
偶然にも火の国は高等司祭を残すだけです。
こうやってみると偶然出てくるカードなのに
同じ国ばかり出るのも面白いです。
皇帝はやはり父のイメージが強いかもしれませんね
しかし私にとっての父のイメージはフール(愚者)なんです。
なぜかというと顔が似ているからです。
トートタロットをよく見ると知っている誰かに似ていることを
発見できるかもしれません。
カードの背景
皇帝はエジプト神話に登場する太陽神ラーまたはギリシャ神話
に登場するゼウスを人物像に結びつけています。
占星学では牡羊座・火星・太陽に関係しており父親または男性
を象徴している皇帝です。
トートタロットでは皇帝の前に登場する人物として高等司祭が
位置しています。
どちらも男性を象徴するカードですが皇帝はよりエネルギーに
溢れた実践者というイメージです。
カードの色が黄色とオレンジで統一されているので
エネルギッシュな印象ですね。
皇帝はリーダーシップをとり自信にあふれています。
秩序を守り実際的に考え現実的な行動をとります。
影に隠れるよりも表舞台に立ちます。
ですが皇帝は横顔で描かれているので発揮する力は一時的な
ものとして表現されています。
カードの意味
- 判断が現実的
- 安定感がある
- 責任感がある
- 理屈より体験
- 実用主義
- 組織を作る
- 計画を実現する
- コンセプトが明確
- 完全主義者
- 重要なポスト
- 信頼できる関係
- 年上の男性との縁
- 抑圧的
- 権威主義
- 人使いが荒い
- 自己中心的
- 短期
- 見切り発車
さらに深い意味を読む
皇帝のカードを見てみましょう。
皇帝の後ろには雄羊が2頭います。
これは皇帝が座っている王座の柱頭です。
ヒマラヤの野生の雄羊で勇敢であり孤高を好みます。
ですが飼いならされると足元の子羊のように臆病になり群と
共に生きる姿に変わります。
これは統治されるという意味を持ちます。
女帝の解説で少し錬金術について説明しました。
女帝は両腕で抱えるように塩のポーズをとっていましたが
ここの皇帝では頭と両腕で三角形をつくり足を組んで十字を
表しています。
このポーズは硫黄の錬金術の象徴です。
硫黄は男性的な宇宙のエネルギーを意味しています。
燃えるような宇宙のエネルギーは一時的な激しい活動を表して
います。
長く続くと燃え尽きてしまいます。
このように皇帝は一時的であってもエネルギーは強く自信を
持てば成功することは目に見えているので迷う前に行動しよう
という判断が出てくるでしょう。
考えているうちに前髪の神様は次の前髪を捕まえに行ってしまいます。
皇帝のカードが出たら今がその時と思い実行することがおすすめです。
参考資料は
レオン・サリラ著「魔術師のトート・タロット」
アレイスター・クロウリー著「トートの書」
です。