
とうとうメジャーカードも最終回に到達しました。
はじめに紹介しなければいけない愚者ことフール
が最終回の題材です。
フールはタロットの霊であり人間の姿(ディオニュソス)
として人間界を探求する人物です。
このカードに描かれているフールですが、実は
私の父にそっくりです。
人生の探求者でもあるので皆さんに関わりのある人
にもしかしたら似ているかもしれませんね。
父はすでにこの世には存在していませんが、その後
も私の前に時々登場していました。
そして今では置き土産のブドウが毎年たくさんの
実をつけています。
もうそろそろ収穫どきです。
そんなブドウもこのカードには登場します。
では解説してみましょう。
カードの背景
牡牛の仮面を被っているディオニュソスは天と地を結合させる
意味のアレフの象徴です。
その頭にあるダイヤモンドは頭脳の働きがよく直感があります。
心が透明な様子も表現しています。
緑の服は活発な生命力を表しており新しい創造の活動が始まる
意味です。
ブドウは正気を失った人間を救済する愛を表していて天地創造が
始まります。
人生が豊かで新しい愛が誕生する意味もあります。
コインの入った袋は天地創造が続き内的な宇宙が誕生します。
能力が開花するという意味もあります。
ワニとトラは死と恐怖の象徴であり過去の辛い体験を克服する
という意味です。
カードの意味
- 独創的な潜在能力
- 未知の世界に挑む
- ゼロからのスタート
- 新しいことのために休暇を取る
- ワクワクする出会い
- 相思相愛
- 経験不足
- 無責任
- まとまりがない
さらに深い意味を読む
トートタロットにおけるフールには否定的な意味はありません。
ですがこの世は相対的であることから、いいことと悪いことと
思えるものが両方存在します。
それをどう捉えるかが探求者の判断のしどころです。
たとえば時代の変化に合わせて探求を繰り返し環境を変えるのは
大切ですが、何事も長く続かず絶えず環境を変えることばかり
考えているのは失敗を招きます。
今までのトートタロットに登場する大アルカナによる21の場面を
フールは超えてきました。
フールの番号である0はプラスもマイナスもなくこの世に誕生した
ばかりの0でもあります。
フールは人生で起こる悩みや恐怖から私たちを解放するために復活
します。
そして人生での人間関係を学び宇宙と統合するためにさまざまな
体験をしていくのは今までのカードの説明で理解できたかもしれま
せんね。
フールが登場してきた判断としては善悪の判断というよりも探求者の
人生そのものを祝福している意味として捉えたほうがいいでしょう。
これで大アルカナの説明は一通り終わりましたが、フールについては
さらに解釈を深めることもできるので、どこかで説明するかもしれません。
トートタロットには小アルカナのスートカードとロイヤルティカードが
あるのでまたシリーズ化します。
参考資料は
レオン・サリラ著「魔術師のトート・タロット」
アレイスター・クロウリー著「トートの書」
です。